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不思議なヴィクトル氏のENDOのレビュー・感想・評価

不思議なヴィクトル氏(1938年製作の映画)
4.0
フランスの地中海沿岸にあるトゥーロン港を舞台に善良そうな店主と強盗団は取引をしており、その揉め事に靴屋の家族が巻き込まれるという冤罪サスペンス。冒頭のイキイキした港町を映すのはクレーンとドリー。UFA🇩🇪テンペルホフ撮影所の潤沢なセットとロケ撮影を繋ぐ、女性店員が屋外から店内に駆け込むワンショット撮影。靴屋の窓から見える船や揺蕩う波。開放的な絵が続いて素晴らしい。土砂降りの雨の中の帰還。後半は説話的な理由もあって軟禁されたような閉塞感がある。グレミヨン映画で常連のマドレーヌが登場して嬉しい。人妻と居候の危うい関係。ヴィクトル氏は物語から後退せざるをえない。
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