HidekiIshimoto

小さな巨人のHidekiIshimotoのレビュー・感想・評価

小さな巨人(1970年製作の映画)
4.5
ネクタイ首輪で会社に繋がれるポチな生き方では俺死ぬと高三で直感し、けど極道素質も資質もないような何においてもどっちつかずの半分人間な俺にもそれなりの役割がある、と教えてくれたのがトリックスターという概念だった。で初めて観たこれは徹底的にトリックスター映画だった。あっちにもこっちにも属して、あんな目やこんな目に遭うこんな数奇な人生こそが人生だと今更ながら思った。最高に美しくてとぼけた終盤なんか最高のインディアン映画だった。やっぱりどの大陸でも先住民族の暮らしこそが人類文明の頂点だったと思う。頂点から生まれた言葉こそが「死ぬにはいい日だ」だったんだと思う。インディアン文明が徹底的に破壊され、その上に最強国家がつくられたあたりから、終わりに向かう長い下り坂が始まったんだと思う。移民出ていけとかほざくトランプ系白人にはじゃあお前らから出ていけと言いたいけど、俺らも縄文人を侵略した弥生人の末裔だったし。