若松孝二作品は80年代以後の4つぐらいしか観てないし、足立正生のことも『REVOLUTION+1』で初めて知った程度の人間なので色々新鮮だった。もっとアクの強ーい人だと勝手に思ってた若松孝二監督は､学生の頃の肉体労働バイトで世話になった厳しくて優しい親方に似てた。って若松孝二じゃなくて井浦新なんだけどね。晩年の若松作品に軒並み出てる井浦新だから実際こんな感じだったんだろうし､東京に住んでも訛りを消さない人はいい人に決まってる。九州弁即消した俺は悪い人です。主役は助監の麦ちゃん。初めて観たけどなかなか映画的ないい風情。他キャストもちゃんと映画に収まってる。こじんまりだけど何か熱いものを求める若者の熱い群像劇に何度かウルッときた。人間が活きてた時代だったなぁ。たった半日で俺の甘えを吹き飛ばして視野を広げてくれたあの若松孝二みたいな大工の親方。あんなおっさんが若者には絶対的に必要なのです。じゃないと若者は大人になれんのです。もういないかもだけど。
