たつ

激動の昭和史 沖縄決戦のたつのレビュー・感想・評価

激動の昭和史 沖縄決戦(1971年製作の映画)
4.7
素晴らしい傑作。戦争へ向かい簡単に殺される残酷と、生きて戦い続けなければならない恐怖。「日本のために戦え!」と軍兵を鼓舞し、「沖縄のために生きろ!」と自殺を否定する。

まさに地獄の戦争。感動話でもない、ただ生の戦争が繰り広げられ、死に向かう軍国を描く

降伏は許されない。生きて逃げることも許されない。負けることが分かりきった戦に挑み続けて死んでゆくか、自決するしか選択は無い。

司令官達は我慢できずに自殺する。方向を失い降伏もできない国民は、集団自決するしかない。手榴弾を握り共に散る。

これこそ不快で厭でプライドの高い日本軍。「天皇のために死ねて嬉しいだろ!」という国民意識と、「戦争で死ねば靖国の祭神として祀られる!」という逃げ道によって軍国主義を推し進めていく。

我が子のちぎれた足を手に持ちフラフラ歩いていくお母さん。涙が出そうだった。
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