コミヤ

晩春のコミヤのレビュー・感想・評価

晩春(1949年製作の映画)
4.3
初小津。

気持ち悪いくらい笑顔の原節子に笑った。でもそれが後の展開を際立たせる。中盤の叔母との会話から次第に笑顔が薄れ始め、父親の口から語られるある事実に直面して感情が爆発する。
人物がカメラに向かって真正面から語りかけるという変わったカメラワークに最初は戸惑ったけど、このシーンでその真価が発揮されたと思う。

家の撮り方は定位置からのローアングルの繰り返し?この繰り返しが日常の愛おしさと戻らぬ日々の寂しさを感じさせる。ラストカットはマジ泣きしそうになったよ!

初めは結婚=幸せを押し付けてくる周りの人間に対してクソが!って思ったけど、その根底にあるとっても優しく同時に切ない事実に胸を打たれた。
やがて訪れる終わりに対して自分から行動を始めないといけない。
コミヤ

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