無実の罪で処刑された大臣の遺児を護るべく、特務部隊(レオン・カーフェイなど)が荒野の小さな旅館に潜伏する。1967年度「残酷ドラゴン 血斗竜門の宿」(キン・フー監督)を、ツイ・ハーク製作でリメイクしている、香港産の武侠映画。
オリジナル版は遺児を匿うまでの展開に尺を取っているが、本作は遺児を匿ってからのシークエンスが主軸。旅館に出入りする人物たちの腹の探り合い、幾重にも交錯する人間模様が、見世物エンタメ色豊かに繰り広げられる。
部隊に属している男装の剣士(ブリジット・リン)と、砂漠の旅館を切り盛りしている若女将(マギー・チャン)が、ダブルヒロインとして登場。とりわけ、後者のキャラクター像が魅力満点であり、「砂漠で生き延びる術」を実践している女性の生態観察が捗る。
クライマックスでは、超難敵の宦官(ドニー・イェン)を相手にした、血みどろデスマッチが展開。超自然的な力が働いているとしか思えない、驚天動地のアクションが沸点に達しており、香港アクション映画特有のケレンミを堪能することができる。