t

ベニスに死すのtのネタバレレビュー・内容・結末

ベニスに死す(1971年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます


伝説の美少年としてエドワード・ファーロングらと共に名が挙がる一人、ビョルン・アンドレセン。
彼の代表作、ようやく観ることが出来た。超観たかったやつです。

感想としては、とりあえず、テンポが悪い。
情緒です。雰囲気です。ムードです。趣です。勿論分かっておりますとも。でもタージオが出てくるまで30分くらいかかった上に全然話が進まなくてぼんやりしてしまいました。
しかしその分、美しく、麗しく、扇情的な絶世の美少年が画面に映し出された時の衝撃はやはり凄まじい。まさに官能。画面越しにも伝わるあのオーラ。そりゃおじさんもあんな反応する。美について考え出しちゃうよ。
まあでも出てきてからも長い長い。内容は全然ないんだけどなぁ…。
見どころはビョルン・アンドレセンです。

芸術のような、絵画のような、小説のような、天災のような、呪いのような、少年。
尊大な態度で音楽を聴く。お行儀よく母の手の甲に唇で親愛を示す。食べ物を小さく切り分けフォークで口に運ぶ。砂浜を静かに歩く。友人と無邪気に走り出す。友人に肩を抱かれ、頬にキスを落とされる。家族に甘え、悪戯をする。帽子を脱ぎ、前髪をかきあげる。見つめ合い、微笑む。深い藍と翠の混ざったそれと、度々視線が交差する。彼は、ピアノを弾く。
「そういう笑い方はよせ。他人にそんな笑顔を見せるな。…愛している」
挑戦的な目をした少年に、心惹かれてやまない、視線を奪われてやまない。美を前に、官能を前に、あまりにも無力であった。
不安に駆られながら、タージオの身を案じて彼を追いかける。タージオは主人公に声をかけられるのを待つ。何度も。
結局、触れることも、言葉を交わすことも叶わず。そうして、水平線に彼を見ながら、ベニスに死す。



(ビョルン・アンドレセンが)百点満点の映画です。音楽もよかった。
t

t