原題『La terra trema』 (1948)
監督・脚本 : ルキノ・ヴィスコンティ
撮影 : G・R・アルド
編集 : マリオ・セランドレイ
音楽 : ヴィリー・フェッレーロ
出演 : アルチディアコノ、ジュゼッペ・アルチディアコノ、他
シチリア島の漁村を舞台に、不当な搾取に立ち向かったために窮地に追い込まれる家族の姿を描いたイタリア・ネオリアリズモ映画名作。
今現在にも通じる社会の搾取構造を通して紡ぎ出し、平穏に生きるためには体制に寄り添わざるを得ない庶民の悲哀を、プロの俳優を一切起用せず、シチリア島の漁師たちを出演させてドキュメンタリータッチで徹底したリアリズムと陰影豊かなモノクロームの映像で描いています。
時化の中、漁に出かけた男たちをジッと待つ三人の女を捉えたショットをはじめ、全編、漁村の街並、人物配置が素晴らしい構図で非常に黒が映えまくる映像が厳かで美しかったです。
