ハレルヤ

炎628のハレルヤのレビュー・感想・評価

炎628(1985年製作の映画)
4.3
舞台は第二次世界大戦真っ只中のドイツ占領下のベラルーシ。ドイツ軍に対抗するゲリラ部隊パルチザンに加わろうとした1人の少年の目線を通じて、ナチスドイツの極悪非道な虐殺の実態を捉えた戦争映画。

戦争映画史上最恐とも言われた伝説の映画である本作。長年気になっていましたが、DVDを購入したのでついに初鑑賞。噂通りの強烈な衝撃を食らわされた気がします。

戦争の残酷な現実をずっと叩きつける内容で、見てて本当に鬱になりそうなほど。特に中盤からラストに至るまでは、胸糞悪さを通り越して放心状態になりました。

邦題の「炎628」。ナチスドイツに滅ぼされたベラルーシの村の数との事で、劇中で表されているのもその一部。それだけでもこの人間の所業とは思えない出来事だらけ。

村人を教会に閉じ込めて火を放ち、機銃掃射で皆殺し。それを鼻高々に笑いながら眺めているドイツ軍。これも本当にあった事。狂ってるとしか思えませんでした。

久しぶりに映画を見ていて本気で吐き気を催したほど。それほど生々しく圧倒的なリアリティを持った場面だらけ。疲れたとかしんどかったというレベルじゃなく、主人公の少年フリョーラと同じ立場でこの惨劇を追体験しているような気分になります。

本当に森を丸ごと吹っ飛ばしてるんじゃないかと思うほどのリアルな爆撃。実弾を使用した銃撃。片っ端から燃やし尽くされる建物。全てが実際の出来事と限りなく近い形で描写されているのも本作の本気度が感じられました。

最初はまだ幼さのあるフリョーラの表情も、一連の暴虐を目の当たりにして終盤では老人のような老け込み具合になるのも強烈なインパクト。そしてキャストの表情もリアルすぎて映画というのも忘れているほど。

ドイツ軍とパルチザン。どちらが善で悪かという表し方もなく、戦争そのものの醜態をそのまま映し出しているのも本作の特徴。

言いたいことがありすぎて、まとまりが無いレビューになっていますが、それほど最近見た映画では一二を争うほど感じるものが多かった作品。間違いなく一般受けなんかしない内容ですが、興味のある方なら可能なら是非一度はご覧になってほしいです。
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