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月はどっちに出ているのあのレビュー・感想・評価

月はどっちに出ている(1993年製作の映画)
2.2
どの登場人物も少し大袈裟な描かれ方をしていて、しかも間が悪いので、全体を通して若干不自然な感じがしました。もう少し役者の演技に頼らずに目で見せても良かったんじゃないかと思いました。
また、苗字、冒頭の長々とした結婚式、壁に立てかけてある将軍様たちの肖像画、ハングル語が書いてあるダンボールなどで記号的に在日朝鮮人の色を出そうとしていて、どうしても主人公たちが在日朝鮮人の役を被った生粋の日本人にしか見えなかったところが残念でした。もう少し母親の手料理とか、生活様式に溶け込む形で在日朝鮮人の色を見せてほしかったです。
ただ、神経質で小心者だから外国人を平気で見下す日本人たちの哀れさと、それを生暖かい目で静かに見守る在日外国人たちの哀しさの、溶け合うようで溶け合わない関係が、コリアンとフィリピーナの絶妙な関係性と相まってとても魅力的でした。同じ場所で手を取り合って生きているが、取り合った手の間に何かが挟まってる感じに、歩み寄れない人間同士の悲劇があるのかと思いました。
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