黄色いジャケットはハッピーの印。
ずっと観たかった映画。なのに何故こんなに長く観れなかったか。いつもの如く近所のGEOの愚痴です。
最初はタイトルがなかなか思い出せませんでした。なので、あいうえお順のリ…の段になかなか辿り着けず。これは僕の責任です。タイトルが思い出せないから、黄色いジャケットを目印に探すんだけど見つからない。それもその筈。近所のGEOではこのDVDの在庫はたった1本で、背表紙が日焼けして真っ白。タイトルまで消えかかっている。見つけられても貸出中だったり、リ…の段にないやん!って思ったら店員のおススメコーナーに移動してたり。
何せ満を持してのリトル・ミス・サンシャイン。
一癖も二癖もあるデコボコ家族のロードムービー。
自己啓発本を執筆し、人生を勝ち負けでしか判断しないウザい父。そんな夫にストレスを抱えタバコが辞められない母。パイロットになるまでは一切口をきかないと「沈黙の誓い」を立てた哲学的な兄。同性愛者で失恋の痛手により自殺未遂を謀った叔父。口を開けば下ネタばかりでヘロイン中毒の祖父。そんな家族に囲まれて、子どものミスコンで優勝する事を夢見る7歳のぽっちゃり少女オリーブ。
そんなオリーブがカリフォルニアで開かれる全国大会リトル・ミス・サンシャインへの出場が決まり、家族揃ってオンボロバスに乗り込んでアルバカーキを出発する所から物語は進み出す。
道中散々予期せぬ事に見舞われ、挙句オンボロバスのクラッチが故障した事で、家族みんなでバスを押して加速しないとエンジンが掛からなくなって。旅はしっちゃかめっちゃかになるけど、不思議とみんなでバスを押してると心が一つになっていく。
叔父を演じたスティーブ・カレルと兄を演じたポール・ダノの鬱々とした雰囲気が好き。特にポール・ダノがとあるシーンで発狂。F○○○○○○〜〜〜CK!!!!!!最高でした。
そしておじいちゃん役のアラン・アーキン。ロクでもないけど、オリーブの振り付けを担当したのは彼。家族全員が何だかんだ言って自分の事しか見ていないのに、最後までオリーブから目を離さなかったのは彼だと思う。
僕らの人生もクラッチが壊れたバスみたいなもので。そうそう簡単に走り出してはくれないし、思うように減速出来ず、曲がりたい所で曲がれない。
この映画は決して奇跡の物語でもないし、勝ち組になれる物語でもない。でもやりたい事をやり切った後の爽快感が何より大事だと教えてくれる。
何だか無茶苦茶なんだけど、心はしっかり温まる感動作。