HidekiIshimoto

群衆のHidekiIshimotoのレビュー・感想・評価

群衆(1941年製作の映画)
4.5
傑作『スミス都へ行く』の次にスミスと同じ政治テーマを別視点で捉えた、スミスと同じ破壊力を持った傑作。邦題を『ジョンみんなに会う』とかじゃなく『群衆』と強調したことでより際どく複雑な作品になってると感じる。国民をなめるなバカにするなという言葉はよく見聞きするけど、悪党権力者というのは群衆の釣られやすい性質をよく解ってるはずで、実際群れてるだけの衆だとバカにされても仕方ない。それでも群衆の可能性を示して終わるあたりはフランク・キャプラの厳しさと優しさ。つまり祈り。ビシッと政治映画なのにちゃんと娯楽作なハリウッド伝統芸の源流はこの辺か?バカ政治家の生みの親はバカ国民なのだとビシッと受け止め、まずバカ俺から改めるしかないな、うわ果てしないなと思った次第。