バンバンビガロ

群衆のバンバンビガロのレビュー・感想・評価

群衆(1941年製作の映画)
3.0
フランク・キャプラ監督のクリスマス映画。
新聞社クビになった記者が最後の記事ででっち上げた、社会問題に抗議する架空の人物が巨大な社会運動のムーブメントを巻き起こすという話で、小さな嘘が加速度的にデカい話になっていく躊躇のなさは面白い。
序盤の功利的な考えで集まった面々がでっちあげ話を盛り上げていくところが魅力的なのだが、後半からはわかりやすい理想主義に回収されていく流れで、良くも悪くもフランク・キャプラ的作劇である。
フランク・キャプラはヒューマニズム的作家であるといわれていてそのことに異論はないが、あまり「大衆」というもの信用していない節があって本作でも簡単に扇動され意見を変える存在として大衆を描いている。
そうした移ろいやすい大衆の性質と隣人愛を信じるラストシーンは微妙にかみ合っていないところがあって誤魔化しを感じないでもない。
バンバンビガロ

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