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横道世之介のyumeayuのレビュー・感想・評価

横道世之介(2013年製作の映画)
3.5
世之介さぁ~ん

ハンバーガーにかぶりつく祥子。
カーテンにくるまりモジモジする祥子。
かわいいなー。

吉高由里子演じる祥子のお嬢様ぶりがとってもかわいい。あの浮世離れしたキャラは彼女じゃなければ演じられなかっただろうな。
ちょっと天然で天真爛漫な祥子と呑気だけど優しい世之介のカップルは見ていて微笑ましくなりました。ラストのあんなに爽やかで前向きな別れのシーンは他にはないですよね。


今作は80年代ののんびりとした時代に青春時代を過ごした主人公・世之介や、彼を取り巻く仲間たちとの大学生活を描いています。
当時、学生時代を過ごした人たちならすごく感情移入できるのではないでしょうか。
もしくは、大学入学を機に上京をしてきた人も同じように共感できる部分が多いと思います。
そういった意味では自分は世代でもないし、東京生まれということもあり、いまいちピンとこなかった部分もありましたが、それでも自分の青春時代を思い出してちょっぴり淡い気持ちにさせられました。

なんて言うんですかね、あの若者特有のキラキラ感。
まだ何者でもないけど、何者にでもなれる可能性。
だけどそれに気付かずにダラダラと過ごす毎日。
年をとればとるほど、あの時間は期間限定のものだと思い知らされるのに、当時はその時間が永遠に続くかのように思えたものです。
所々に世之介の学生時代の仲間たちの未来が描かれるので、余計にセンチメンタルな気持ちにさせられます。

今作は160分という長尺ながらも、飽きることなく見ることができたのは、誰もが経験する“青春”という普遍的で刹那的な物語だったからかもしれません。
決してドラマチックではないけど、何気ない日常生活に起こる小さなドラマに思わずほっこりさせれらました。
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