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ガメラ3 邪神<イリス>覚醒のryotaのネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

平成ガメラ三部作の三作目について、すっかり感想を書くのを忘れてしまったこともあり、見直すことに。三作目はかなり野望に満ちた作品で、前作よりも作り手の思いが濃くて、そこが賛否の分かれ目なのかもしれないと思いました。私はですね、すごく好きです。

ガメラの被害で家族を失った少女の復讐劇という発想がそもそも大胆だし、美少女大好き監督の前田愛を撮るエロさがなんとも素晴らしい笑。ちょっとご都合主義的なところは多々あれど、シリーズの群を抜いて素晴らしい特撮シーンとカメラワークのキレに圧倒されて、楽しさ満載です。渋谷の駅前が壊されるところなんて、今見てもすごいクォリティ。京都のラストあたりはちょっと距離が近くて厳しいものはあったものの、全体的に特撮は目を見張るばかりです。これだけの技術って絶対世界に誇れるでしょう。ちょっとイリスのデザインは個人的にあまり好きではなかったけど、相変わらず格闘シーンは残酷描写にもなってたし、意味深に終わるラストシーンはちょっとグッときます。

そう、特撮部分が素晴らしすぎてなのか、話の持っていき方がちょっと固かったというか、少し押されてしまった感じがしました。それでも、金子監督はドラマシーンについてはできるだけ普段の演出を心がけているのも十分伝わったので、私としては十分楽しかったです。当時の時代背景も今見ると懐かしいし、変わってないところもあったりして、そこも楽しめます。ちょっと神がかり的な話になってくると、一作目のリアリティが薄れてしまった感は否めません。でもそもそもが神話になぞられたような設定ではあるので、逆に原点に帰ったとも言えるのかな。三部作ってことですのでこれ以降実写がないのが残念。そろそろ作ってくれないかな、ガメラ4とか。樋口真嗣は庵野組に行っちゃったから難しいのかな。

ともあれ、やっぱりガメラ映画は特撮命だと思うのでそういう意味では最後はすごいパワーの作品を残してくれて、大感謝です。
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