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制服の処女のzhenli13のレビュー・感想・評価

制服の処女(1931年製作の映画)
4.2
だいぶ前に観て、闊達に動き回る少女たちが真っ直ぐでしっかりとした丸太ん棒みたいだと、女子寄宿舎もので想像する少女の可憐さと儚さはヘルタ・ティーレひとりに全委任されてるんだと思ってた。

そうかこの作品は、激動の時代のはざまで自由を希求し抵抗する微かな煌めきだったのだ。丸太ん棒みたいな少女たちはヘルタ・ティーレとドロテア・ウィークの関係を嫉妬することもなくひたすら味方であり、真に憎むのは権力で抑圧する寄宿舎の大人たち。ラストショットが美しい二人の行方ではなく落胆した院長先生の背中というのは時代に求める叶わぬ理想だったのかも。
『新学期・操行ゼロ』の自由を求める叛逆の煌めきもまた奇跡だった。この『制服の処女』は同性愛者の作家ウィンスローによる原作で女性の監督、出演者もすべて女性であることがまた、その求める「自由」の意味も幾重にも増す。よく作れたなと思う。
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