制服の処女の作品情報・感想・評価

制服の処女1931年製作の映画)

MADCHEN IN UNIFORM

製作国:

上映時間:83分

4.0

「制服の処女」に投稿された感想・評価

こういったことに今よりもポジティヴな表現そのものが無かった30年代の名作。
三四郎

三四郎の感想・評価

5.0
不朽の名作、不世出の名作と呼ばれる作品は数あれど…この作品を名作と言わずして何を名作と言おう。ドイツで1931年度の十大優秀映画の第1位を占め、ベルリンで記録的長期興行をやったのみならず、パリ、ロンドン、ニューヨーク、東京においても空前の大長期興行をした世界的大ヒット作だ。
原作者、出演者、監督全て女性というのも珍しいが、教師と生徒のLiebe…それも女性教師と女生徒の「崇高なる恋愛」=「同性愛」を真っ向から描き、かつ美しすぎる作品に仕上げている…。
ヴァイマール共和国という、当時としては、いや現代から観ても非常に「進歩的な思想」と「新しい表現芸術」を生み出していた国だからこそ、「同性愛」という今日においても問題含みのテーマに挑戦することができたのだろう。
この作品は内容だけでなく邦訳タイトルもまた素晴らしい。„Mädchen in uniform “は〝制服の乙女たち〟としても良かったところをあえて『制服の処女』という一瞬目を疑うような刺激のあるものにしている。この名訳タイトルの名付け親は、主にドイツをはじめとする欧州映画の輸入・配給最大手であった東和商事の宣伝部員、筈見恒夫である。彼はこの映画に感激し5回続けて観たそうだ。
映画評論家としても多くの著書を出版した著名な人物だが、『制服の処女』以外にも『嘆きの天使』(独30)、『会議は踊る』(独31)、『巴里祭』(仏33)『たそがれの維納』(墺34)、『郷愁』(墺35)、『女だけの都』(仏35)、『望郷』(仏37)、『民族の祭典』(独38)といった邦訳タイトルの名付け親でもある。

『制服の処女』は、囚人服のような白黒ストライプの制服を着た女生徒たちが、女校長の体現するプロイセン的権威主義に耐え忍ぶ姿が描かれ、「権力」と「抑圧」に対する批判が含まれている。この作品は1931年というナチスが政権を奪取する前に製作公開されたが、社会の中において、弱い立場にある女性教師と女生徒を主人公にし、来る軍国主義への精一杯の警鐘を鳴らしていたとも考えらないだろうか。

大学図書館で1限目の時間を利用して観たが、もうあまりに感動しすぎて恍惚とし、2限目に遅刻。それでも感動興奮冷めやらず、友人に熱弁をふるい、「そんなに良い映画なら今から観に行くわ」と言われ、その日のうちにもう一度大学図書館へ行き一緒に観ることに笑
当時のキネマ旬報外国映画ベストテンのランキングでは何位だったのかと、最初に観終わったとき調べると第1位。私なら第1位に推薦すると思ったが、当時すでに第1位に輝いていたとは、時代とテーマを考えて意外であると同時に「当時も現代もやはり変わらぬ」という思いを一層強固にした。また、当時の日本で大ヒットしたことを考えると、映画を観る目が当時の日本人は冴えていたのだと感嘆せずにはいられなかった。
女性監督の腕に依るものだからなのか、ベルンブルク先生を演じるドロテーア・ヴィークの表情ひとつひとつがはっとするほど麗しく艶かしい。もう惚れ込まずにはいられない。毅然たる態度と凜としたその美貌。孤高の美に乾杯。
最も素敵なシーンはキスシーンだろう。最も美しい情熱的シーンは教室での問答場面。ひとえに先生を見つめ心ここに在らずのマヌエラ。ベルンブルク先生とマヌエラの視線がぶつかり心が通じ合う。ベルンブルク先生の恥じらい、動揺。しかし、マヌエラの瞳は動かず、先生の美しさに見惚れ酔いしれている、そう潤み輝く純情な瞳で。交互に二人の顔を映すことで緊張感を高め、実に甘美で綺麗で胸が熱くなり心を掴んで離さぬ最高のシーンだ。
大学で観たLDと購入したDVDでは、字幕の内容が異なりどちらも興味深かった。例えば、ベルンブルク先生の„Ich denke viel sehr an dich, Manuela“という言葉。どちらも考えられた巧みな日本語訳となっており、唸らされた。DVDの方がストレートに「愛」について語っているように思う。『ドン・カルロス』におけるマヌエラの科白はそのままベルンブルク先生に対する激しい愛の告白だったということが、より判然と明白にわかる。

クライマックスで、女生徒たちがマヌエラを探し回るシーンは『信子』(1940/松竹)のクライマックスに似ている。清水監督は、この映画を模倣したのではないかしら。

この映画でベルンブルク先生を演じたドロテーア・ヴィークは当時一躍人気スターとなり、日本ではハリウッド・スターとブロマイドの売行きを競い、映画雑誌の表紙を飾り、彼女の主演作品が次々と輸入配給された。さらにハリウッドへ呼ばれ、パラマウントで『ゆりかごの唄』と『坊やが盗まれた』 に主演女優として出演。『坊やが盗まれた』 は好評で、『ニューヨークタイムズ』と『タイムマガジン』の映画評において彼女の演技は絶賛された。日本でも娯楽映画として好評だった。
しかし彼女はこの作品撮影後、ドイツへ帰国せざるを得なくなる。「ドロテーア・ヴィークはナチスのためにアメリカ/ハリウッドでスパイ活動に従事している」という疑いが掛けられたからだ。彼女は1935年ドイツへ帰国。帰国後彼女は、〈ナチスの殉教者〉として自分を賛美させようとする独裁者のもくろみに反抗し、そのことが、その後彼女を職業上ほとんど完全に窓際へ追いやった。
戦後は西ドイツでキャリアを重ね、晩年にはドイツの演劇・映画界に貢献した功績を称える賞を受けている。
Hero

Heroの感想・評価

3.9
父と母を戦争で亡くし、預けられた先の伯母にまで見放された主人公マヌエラ、“秩序と空腹こそが国を強くするのだ”という学院長の下、下界とは隔離された建物に閉じ込められ、さらに縦縞模様のまるで囚人服のような制服の下に彼女の隠された欲望は抑圧される。そんな刑務所のような生活の中で出会った絶対的な愛、ベルンブルク先生。ぽっかりと空いた心の穴を埋めるかのようなエロティックでプラトニックな就寝前のキス。圧倒的美女にそんなことされたら性別なんか余裕で飛び越えちゃいます、イチコロですね。そして何と言っても、あのラストシーンには迫り来るナチズムへの強烈な批判が込められているような気がした、チャップリンよりも早くこの隠された事実を同性愛という禁忌を交えながら映像化した今作は映画史的にもっと評価されるべき。

これの鬱フェーダーを振り切った作品が『きっと、いい日が待っている』、こちらも傑作。

「あなたの言う罪を、私は愛だと考えます。」
ベルンブルク先生、万歳。美人、万歳。
空衣

空衣の感想・評価

4.1
生徒と教師の美しいLiebe
一方通行ではなく先生も追っていくのが最高
おやすみのキスが堪らない、リピート必須
森下

森下の感想・評価

3.7
「先生っ!好きっ!」ってなること必至。
美貌を備えた素晴らしい教育者には、恋をしてしまう。
戦前のドイツの生活が見える。
結末はあまり好きではない。
具視

具視の感想・評価

3.4
レンタルにて。

皆んな美人。白黒が慣れないせいか観にくい。
女子校女子大生活を思い出したけど、あそこまで可愛らしさはないな笑
王子

王子の感想・評価

4.0
綺麗すぎておそろしさすらおぼえる。登場するのはすべて女性。男性的なものを前提としない無垢なエロティシズムがそこにある。30年代にこのような現代性をそなえた作品が存在することに、ただただ驚くばかり。
けんた

けんたの感想・評価

4.5
めちゃくちゃよかった
厳格な全寮制の女子寄宿学校のひとり生徒が女の先生に恋心を抱いてしまう話。
LGBTモノで今のところベスト

キスシーンが本当に本当に最高。
はぎの

はぎのの感想・評価

3.8
1930年代の同性愛もの。当時はかなり貴重だったはず、日本でも大ヒットしたらしい名作。

オールスタッフ女性、登場人物もみんな女性...女性による女性のための映画と言っても過言ではないのでは。

寄宿舎で暮らす女生徒が、誰よりもとびきり優しくて美しい先生に恋をするというお話。この女生徒たちが普段はお嬢様気質なんだけど、騒ぐ時は騒いできゃっきゃしてるのが可愛らしい。女性が同性に憧れるって大体こんな感じだよなぁと女子あるあるだと思うのです。やっぱり優しい先生って誰からも好かれるし。年代は古くとも今と変わらない普遍的な恋愛ものなので感情移入もしやすい。私は女子高出身なのにこういう閉鎖された空間で、同性の先生に憧れるだとか、先輩に黄色い声援浴びせたりだとか、実際に周りにそういうことしてる人いなかったからちょっといいなぁと思う(笑)

先生役のドロテア・ウィークがとても美しい。後にハリウッドにも進出したものの、そちらではあまり日の目を浴びなかったようで惜しい。
Wednesday

Wednesdayの感想・評価

3.7
純粋に女生徒が女性を愛する話。
寄宿舎ってなんで存在したんだろうレベルの嫌さ。
少女たちは群れてキャッキャ笑っててかわいかった。
美しいです。
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