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シザーハンズのdeenityのネタバレレビュー・内容・結末

シザーハンズ(1990年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

ティム・バートン作品はどうも好きになれないものが多い中、この作品だけは完全に別物。

この映画を語る上では間違いなく愛は一つのテーマになってると思う。傷つけてしまう愛ならば、そのまま愛し続けるのか、それとも諦めた方がいいのか。この作品では後者を選択しているのが、その決断をしたことがベストだと思うし、より考えさせられる。
よりそう感じさせる所以は作品の頭と終わりの物語を読み聞かせたという設定のシーン。童話などの物語にはメッセージ性のあるものが強い。この作品では、あえてそうゆう物語があったんだよ、と客観的にすることで、より物語の中でそう決断したことが絶対的に正しいわけではないのだ、その話を見た聞いた者がどう感じたかが大切だ、ということが強調されているように思った。
また、街が特に目立つ建物もなくメルヘンな街にしてあるのは見ている側に、これは物語の世界にしているんですよ、という意図であるように思えるし、その街の人々はあっという間に噂が広まったり流されたりと現実にもありがちな光景。それを見てどう思うか、までもがメッセージなようでもあるし、本当によく出来た映画だと思った。

初めまともに笑えない主人公が最後に人に追われ出してから犬に微笑むシーンを演じるジョニー・デップは憎いほど素晴らしい演技で拍手を送りたい。
泣ける、感動する、そして考えさせられる、素晴らしい名作!
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