プリオ

スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃のプリオのレビュー・感想・評価

2.0
スペクタクルな映像とストーリーの空洞化の反比例現象は、さらに増す。映像は美しくなったものの、見終わった感激が薄い。いや、正直、僕個人としては、実は映像も好みではない。スペクタクル要素を担うCGにリアル感がないのだ。あまりに作りっぽくて、少し気持ち悪くなった。

でも、また見てしまう。
それでも、見続けてしまう。
これが、シリーズものの宿命なのか。

1では、ラジー賞(最低映画に贈られる賞)の最低助演男優賞をジャー・ジャー・ビンクスが受賞した。そして今作では、最低脚本賞を受賞してしまった。でも正直、それがよくわかる。ストーリーが何がなんだかよくわからんのだ。

アナキンとオビワンは仲が良いような、悪いような微妙な関係だ。後先考えずに無鉄砲な行動をとるアナキン。礼儀やルールを重んじるオビワン。どこか映画「セブン」のミルズとサマセットを思い出した。

後にダース・ベイダーになるアナキンの青年時代。そしてパドメとの禁じられた愛を描いている。シリーズの中でも屈指の恋愛映画でもある。

誰もが羨む素質を持っているはずのアナキンが、中学生のような精神をしていて、見ていて恥ずかしくなってしまう。さらに、オビ=ワンに対して大人は分かってくれないと怒りを露わにする幼稚さも、正直呆れた。

パドメへの愛とジェダイの掟の間で苦しむ姿をもっと丹念に描く方向でいけば、まだ観客は納得できたと思う。でも、アナキンは徹底して自己中で幼稚な男にか見えない。ジェダイのプライドなどない。パドメに受け入れてもらえないことに、ただ腹を立てる中学生男子だった。

母親の死もアナキンの闇堕ちにおいて、非常に大切なエピソードになるべきものだ。それなのに、なんだか薄っぺらい描き方で、心揺さぶられることもない。観客は置いてけぼり。ちっとも悲しくなかった。

もしかしたら、ジョージルーカスは人間が苦手なのかもしれない。きっとオタク寄りのおじさんなのだ。だから、人間を描くのが下手なのだ。人の気持ちがわからないから、キャラの言動に作り物感がある。

と、割とボロクソに言ったが、「スターウォーズ」という世界観を作ってくれたことには、感謝しかないのだ。
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