2008年に起こった世界金融危機の内幕に迫るドキュメンタリー。世界的な金融危機に至るまでの過程を豊富な統計データや記録映像、当時金融業界の中心にいた関係者へのインタビューで炙り出し、責任問題や2009年以降の情勢についても追求していく。
リーマンショックで2009年の米国失業率は過去最大になったのに、2010年のGサックスのボーナス額は過去最高額になったというレポート。
破綻すると薄々気付いていながら欠陥だらけの金融商品を客に売り捌き、自分たちはその破綻に保険をかけていて結果的に大儲けするとかいう狂った世界...。
政治に食い込み学者を抱き込んだことで規制は作られず業界は暴走、そして破綻寸前になった金融機関の補償に当てられるのは公費からの拠出、結局割を食うのは社会下層の人々だというのがよく分かった。
2008年以降、中小銀行を吸収して巨大化した金融機関としてJPモルガンがあげられていたが、つい最近も経営破綻したファーストリパブリックを買収してさらにメガバンクになったな。JPモルガンのCEOダイモンは一連の金融危機を経験しているが、そのスタンスは現在も規制反対派で変わっていない。
金融システムを盤石だと楽観視するのを辞めて業界の強い金銭欲を捨て去ることが出来なければ、悪夢は再来するだろう。
