ぶたぶー

フルメタル・ジャケットのぶたぶーのネタバレレビュー・内容・結末

フルメタル・ジャケット(1987年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

これがあのほほえみデブと鬼軍曹か…

金カム展の列待ち時間と帰ってからとで見た。
ひどいしごきのシーンは、キツそうでありながら死の危険はないし、ヤバい部活を見ている感じでちょっとおもしろく見れた。
合理的ですぐに動く軍人の作り方を見れた。

ただ、訓練で身に付けた思考も、実際戦地に送り込まれて目の前で仲間が死んだら合理的な判断は下せない。仲間の悲鳴を聞いて飛び出すやつは死ぬ。倫理観が壊れて(というか壊して)生き残るため、仲間たちのために殺すが、いざ死にゆく敵や死体の山を目の前にすると、罪悪感やなんとかしてやりたい気持ちも確かに存在している。

ジョーカーのもつ二面性は、軍人に向いていると思う。ただ、最後に撃つことができなかったことがこの人間の本当の根っこが現れている気がする。
 
最後狙撃兵との戦いは、ジョーカーの初戦闘と立場が逆転していて、戦争はどちらの立場に落とされてもおかしくない場所なんだなと感じた。

平和でないとこんな感想も抱けない。自分が戦争に叩き込まれたら、多分フワフワと夢なのか現実なのか分からないまま命令に従い、運良く生き残るか野垂れ死ぬだろう。

最後のシーン見ながら家事してたら皿割った。クライマックスを見ながら家事はしないこと。