ハートマン軍曹のせりふは何一つ無駄がなく、「声に出して読みたい罵詈雑言」と呼びたい美しさです。
和訳にとても工夫があります。
「タマ落としたか!」などはもちろん、「続けてよろしゅうございますか?」も素晴らしい。
ハートマンパートのインパクトが大きすぎて、残り2/3の記憶がまばらだったのですが、戦争という題材をあくまでドライに、何の感傷もなく、反戦メッセージもなく描いているのがとても好きです。
「撮る」と「狙撃する」の相似を、この作品からは感じます。
撮ることとは、狙うこと、覗くこと、命を取ること。
死にゆくものをジロジロ見つめる、不謹慎なこと。
そういった、撮ることの〈業〉みたいなものをこの作品からは感じます。
そしてラスト、炎に包まれた市街とミッキーマウスマーチとの見事な対比で、呆然としてしまうのでした。