ロアー

チューブ・テイルズのロアーのレビュー・感想・評価

チューブ・テイルズ(1999年製作の映画)
3.6
ユアンやジュード・ロウも監督を務めているオムニバス映画。公募で集まった脚本から好きな作品を選んで監督を務めたそうで、普段は演じ手として活躍している俳優の作り手としての目線が見れる貴重な作品だと思う。

ユアンが監督を務めたのは5話目の「ボーン/BONE」。
定期券を落とした女性に恋をしたトロンボーン奏者の物語で、主人公には台詞もなく、音楽で気持ちを伝えるロマンチックな作品だった。すごくシンプルだけど構図が凝っていて好き、、、と思ったら、撮影監督はダニー・ボイル作品でお馴染みの監督だそうで納得。

ジュードが監督を務めたのは7話目の「手の中の小鳥/A bird in the Hand」
孤独な老人と地下鉄に迷い込んだ小鳥の物語で、こちらも主人公には台詞がなく、シンプルながらメッセージ性のある詩的な作品だった。
9作の中で1番好きかも?因みに老人を演じているのは、ジョニー・リー・ミラーのパパだそう。

以下、簡単に各話感想

1話目「ミスター・クール/Mr. Cool」
「ロクスト」のジェイソン・フレミングとデクスター ・フレッチャーが再び共演している作品。勘違い野郎の末路、いい気味です。

2話目「ホーニー/Horny」
色っぽいお姉さんに逆セクハラされた男が電車内で勃っちゃう話。男性にしたら悪夢のような出来事なのかな?黄色い帽子のおばあちゃんがいいキャラしてて笑った。

3話目「グラスホッパー/Grasshopper」
グラスホッパー=ヤクの売人。とんでもなくついてない売人の話で、アホな2人組の会話が面白い。

4話目「パパは嘘つき/My Father the Liar」
週末に迎えにくる父とその息子の話。親子の雰囲気や会話が結構好きなんだけど、ブラックでシニカルな作品だった。

6話目「マウス/Mouth」
1番の衝撃作、もとい問題作。予想外の展開で面白かった。でも、ブラックユーモア全開オチのが悪趣味過ぎて...
最後に袋が倒れてしまっていることに気づいて、思わず「うあぁ...最悪すぎる」って呻いちゃった。

8話目「ローズバッド/Rosebud」
レイチェル・ワイズ出演。タイトル通りバラの花びらみたいに赤いコートを着た女の子・ローズバッドが主役の話。
ママとはぐれた女の子のちょっとファンタスティックな冒険譚。

9話目「スティール・アウェイ/Steal Away」
強盗カップルの話。サイモン・ペッグが一瞬だけ、中々素敵な役どころで出てた。映画の最後を飾るのにぴったりなメッセージ性の強い作品だった。
ロアー

ロアー