うさどん

離愁のうさどんのレビュー・感想・評価

離愁(1973年製作の映画)
3.6
本日の巣ごもり鑑賞。
ジョルジュ・シムノン原作の映画化。

ベルギー国境に近いフランスの村から、迫り来るナチスドイツの戦禍から列車で避難することに。
さらに客車に乗る妻子と引き離され、男は最後尾の貨車で謎の女と出会う。

結局、客車と貨車とは切り離され、家族とは別々に避難することになった男の、家族の安否への不安と女に惹かれていく揺れる気持ちが静かに描かれ、やがて安堵と緊張の中、衝撃のラストへ。

少し踏み込みすぎた邦題ではあるものの、戦時下の緊迫感と絶望感とが、走る列車とモノクロとカラーの使い分けられた画面でじわじわと高められていく。