ちろる

人のセックスを笑うなのちろるのレビュー・感想・評価

人のセックスを笑うな(2007年製作の映画)
3.9
20歳も年上の大学の講師に心奪われる19歳の青年。
翻弄され、小さなことに一喜一憂し、真剣になってゆくみるめを気が気じゃなく見守るしかない女友達えんちゃん。
それぞれの人間模様。小さな三角関係が、激しくもなくゆっくりとした時間の中で流れる。

悪い言い方をすると、39歳の年上女性にだまされ、不倫にはまり、手のひらで転がされる純朴な青年と、そのせいで小さな恋心が奪われた女の子の物語なんだけど。永作さん演じるさゆり役のつかみどころのない、なんというかいたずらっこのようで憎めない感じを完璧に演じきってるから、全然ステキに映ってしまって。。他の人が演じてたら、蒼井優ちゃんのえんちゃんの立場になって、キィーってなってしまったかもしれないけど、なぜか気が付いたら、みるめの気持ちになって、さゆりに恋をしちゃっている自分に気づきました。


まぁ結果、世に言う不倫?浮気?なんだけど、「不倫」というにはとっても軽い。

本題の意味はちょっとよくわからなかったけれど、 自分の近くにいい匂いがして、柔らかい肌や唇があったりして、よくわかんないけど無性に触りたくなることがある。
自分が既婚だとか、うんと年齢が離れているだとか、そんな鎧がなんとなく嘘くさく見えてそんな衣を全部脱いで裸になってしまいたい時だって人生に1.2度はあるだろう。

そんな性(サガ)だれだって本当はもってるでしょう?いけないの?
なんてと〜っても自分勝手な意見を悪びれもなく通しちゃってるさゆりはなぜだかとっても魅力的だ。

そして片思いの相手を横取りされてしまって、夫が居るのに信じられない!と憤っていたえんちゃんも、隣ですやすや寝るみるめと二人っきりになったときに、何となくさゆりの気持ちを理解しちゃうのだ。


さゆりはというと、きっとみるめを手のひらに転がすつもりも、翻弄するつもりもなくって、ただ子犬のように懐いて来たみるめを拝借しちゃったんだろうと思うけど。
2回目にあったときに知らんぷりしちゃったり、ライター渡して存在を残しちゃったり何気なくいたずらにしちゃった行動がいちいち相手に響いちゃって、「声聞いたら会いたくなっちゃうから。」なんて泣きついて来た彼がなんだか重く感じて、旅に出ちゃうあたり、「ちょっと、ひどいなぁ。」なんておもいつつ気持ちが分る自分も居て観ていて面白かった。

結局、子犬みたいなやわらかいみるめじゃなく、どんなときでも温かく見守って愛してくれる年上のだんなさんがやっぱ落ち着くなぁなんて思ってしまう勝手な女心とか、さすが若き女性作家さん、痛いところついてるなって思いました。

さゆりの旦那さん役、めちゃくちゃいい味だしてるなぁなんて気になっていたらあがた森魚さんだったようで、キャスティングが素晴らしかったです。
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