チッコーネ

倒れるまでのチッコーネのレビュー・感想・評価

倒れるまで(1937年製作の映画)
3.5
30年代のハリウッド映画でエドワード・G・ロビンソン、ベティ・デイヴィスだけでなくブレイク前のハンフリー・ボガードが出ており、(今観ると)キャストが豪華。
情婦なのに、あっさり相手に別れを告げたうえで了承させるベティのキャラクターは自由過ぎて、何とも「らしい」。

編集は非常にスピーディで、飽きさせない。
リングで闘うボクサーは操り人形、味方の指示ひとつで勝ちにも負けにも転がり、しかも常時「賭けの対象」となっているという描写が陰惨…、八百長以上に夢がない。
ゆえに本作はいわゆる「ボクサー映画」ではなく、あくまでフィクサーが主役。
ギャング映画の系譜にあり、ジャンルのスター・ロビンソンをギリギリまで「エゴイスティックな悪人」として観せる演出は、シビアで良かった。

実際はユダヤ系のロビンソンだが、本作では流暢なイタリア語を披露。