チッコーネ

扉の陰の秘密のチッコーネのレビュー・感想・評価

扉の陰の秘密(1948年製作の映画)
2.7
病院や医師は出てこないものの、のっけから夢占いの話。
制作当時の世に生まれていた、心理学への尽きせぬ興味が感じられる作風だ。
しかしヒロインもその夫も、本職の医師並みに物分かりが良過ぎる。
伏線はきちんと回収されるものの、脚本は強引。
『レベッカ』と『魅せられて』の中間といった内容だが、そのどちらよりも劣る。
最も本作のようなカップルの間で強靭なかすがいとなるであろう「肉体の絆」を描写するのが、難しい時代。
そのハンデは出来不出来に響いているとも思うが…、また「つまらぬ駆け引きが、予想だにしないスイッチを押す」という描写には、ユニークな教訓あり。

本編内にはモノローグが多用されており、俳優はポストプロダクションを踏まえたうえで撮影に臨んでいる。
本作でのジョーン・ベネットはベティ・デイヴィスのよう、「こんなに迫力充分だったっけ」と驚く。
前半はノーブラの場面が多く、豊満を誇示していた。