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バニー・レークは行方不明のMikiMickleのレビュー・感想・評価

バニー・レークは行方不明(1965年製作の映画)
4.3
監督はオットー・プレミンジャー(『悲しみよこんにちは』しか見た事ないけど、タブーとされてきた事を題材にしてきた監督。『ローラ殺人事件』『或る殺人』『カルメン』など)

オープニングからかっこいい。黒い紙をビリビリ破ると名前がでてくる。
さすがソール・バス‼ このジャケもそのオープニングに出てくる。

アメリカから数日前にイギリスに越してきた、未婚の母アニーと娘のバニー。
アニーの兄のスティーブンの家から新居に引っ越してきたその日、バニーを保育園に預け、ふたたび迎えに行くと、娘の姿がない…
スティーブンと共に園内を探してもいない…
警察の捜査が入るが、教師は朝から不在。
園の他の人もバニーを見ていない。
バニーを見てくれると言った食事係りの女性はいきなり仕事を辞めた…
バスの運転手も彼女たちを覚えていない。

パスポートを探そうとして家に帰ってみると、バニーのものが全てなくなっている

警察は疑い始める。果たして本当にバニーはいるのかと…

園の上に住む園の元経営者の怪しげな老女は、「子供はすぐに帰ってくるわよ」と言う。
彼女にスティーブンがうっかり漏らした「アニーは子供の時に空想の友達がいたんだ。名前をバニーと呼んでいた。」という言葉を聞き、警視はさらにバニーの存在を疑う。

果たしてバニーはアニーの空想の子供なのか…

疲れはてたアニーが家で連絡を待っていると、大家がまた勝手に入ってくる。
娘が行方不明だと言っても、自分の詩人としての自慢とモテ自慢をし、アニーをイヤらしく触ってくる。彼の部屋にはサド公爵の骸骨が飾ってあり、彼のムチを嬉しそうに振るう。

一体真相はなんなのか……


ジョディー・フォスターの『フライトプラン』も同じような話だけど、あれは最初に子供が画面に出てくるので、こっちとしては存在が確認できる。
でもこの映画は、ずっとバニーが出てきません。
なので、観客も警察と同じようにバニーの存在を疑い、 アニーの精神状態をうかがうのです。
気が狂っているのではと。


これ以上は言えません。


正直、結末は途中でわかるけれども、怪しげな人を巧みに挟みこみ、緊張感ある流れも素晴らしいし、ある人物の異常性が不気味で目を見張ります。

ラストにかけての狂気も素晴らしいです。この狂気さまでは想像つきませんでした‼鳥肌ものです。
謎の解ける人形修理屋でのシーンも、おぞましいです。
歪んだ人間関係と、狂気に満ちた行動、童心…
この俳優陣たちの演技がすごいです。表情がやばい‼
50年も前の映画なのに、古くささは全然感じません‼
今までこんな狂気じみてブランコに乗る人、初めて見た。 このブランコシーン、思い出しても鳥肌たつ。
MikiMickle

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