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鬼が来た!のmhのネタバレレビュー・内容・結末

鬼が来た!(2000年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

見事なOPは、思いっきり岡本喜八「血と砂」からいただいている。
ヤバいやつかと思ったら実はいいヤツパターンが多くて中盤までは完全にコメディ映画。ちょっとひねったブラックコメディかと思わせて、後半はトラウマ展開に。
ソンミ村の虐殺みたいなことが起こるんだけど、そのメカニズムがいまいちよくわからなかった。よくわからないからこそ怖いという見方もできるんだろうけど、これに関してはそんなこと起こるかなという思いが強かった。1945年8月15日の夜だったらなおさらだ。(よく考えたら、この設定も「血と砂」と同じだね)
マーチングバンドが軍艦マーチを奏でてるという映像的には完璧だけど、現実には起こりえないシチュエーションが作り物感を強くする。
物語においてドラマチックであることは大事だけど、嘘とわかる嘘をついてまでドラマッチックにされると興ざめする。
ラストの仕掛けは鮮やかで見事なんだけど、同時に鼻白んでるおれもいる。手法におぼれてないすか、それ。
愛すべき序盤のコメディも、後半との対比を狙ったものだったのかと気が付いて以降はうまく楽しめなくなってしまった。
普通だったら「日本軍も悪いけど戦争も悪い」となることが多いところ、日本軍がただ悪いという決着も珍しい。
八路軍(中国共産党)ではなく、国民党軍が戦後処理をしていた。
あと、作中ミンミンゼミが鳴いてた。あいつら中国にもいるのか。
エンタメ映画としては一級品なんだけど、戦争ものとしては作りもの感がきつくていまひとつのめりこめない。
mh

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