赤足

仁義なき戦い 広島死闘篇の赤足のレビュー・感想・評価

仁義なき戦い 広島死闘篇(1973年製作の映画)
3.8
嵐の前の静けさたる、本格的な戦争前の序章にあたる仁義なき戦いシリーズ第二作目。今回は前回、圧倒的存在感とカリスマ性を発揮し山守組に盃を返した。菅原文太演じる広能は脇に回り、広島市で勢力を拡大させていた村岡組と大友連合会その傘の下でギラギラと芽を出す若者達の特に2人のヤクザをメインに第一次広島抗争を舞台に描かれた内容となっており、お決まりの音楽🎶テテテーッテテテーッテテテーも健在ながら、菅原文太や梅宮辰夫や松方弘樹に代わってメインを張るのはチンピラで狂犬のような存在の千葉真一とこれまた狂犬で一匹狼のような北大路欣也であり、前回とはまた違った側面からのヤクザを描いており、菅原文太がメインじゃないなら少し尻すぼみしてしまうんじゃないかと思いきや、そんなことは全くなく千葉真一の狂気さえ感じさせる狂喜乱舞する大友と愚直だが義理人情に熱い構成員の山中演じる。北大路欣也の対比や存在感やたるや、今のご時世の俳優の演技では到底見れない凄味と怪演は鳥肌ものであった。そして、今作は北大路欣也と村岡組の姐さんとの禁断の恋などといった前回とは違った作風でのラストの哀愁漂う姿はある意味「THE 漢」を描いており、菅原文太演じる広能とは違った漢気と衝撃を与えてくれる作品であった。
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