ウォール街の証券会社に勤める会社員で、昔気質の父への反発もあって成功求めて憧れの投資家ゴードン・ゲッコーを訪ねたバド・フォックス。足蹴にされそうなところで父が務める航空会社の内部情報提供で関心を繋ぎとめた彼が、その功名心を利用されてインサイダーの手引きを始めて激しい浮き沈みを体験する様を描いたドラマ映画です。
前年に『プラトーン』でオスカーを獲得したオリバー・ストーンが大恐慌時代に証券マンだった父に着想を得た物語を膨らませて映画化した1987年公開の作品で、今日性のある物語が受けてヒットを記録。行き過ぎた資本主義を批判するストーンの意図に反して多くの若者がマイケル・ダグラス演じるゲッコーに憧れ証券会社の門を叩きました。
小気味良いテンポでスタイリッシュに描くサラリーマン物で、"Greed is good" "Money never sleeps"といったパンチラインを残してオスカーを受賞したダグラスの外連味とチャーリー・シーンの青臭さが化学反応を起こします。この手の題材では定番である「お金がない!→お金がある!→やっぱりない!」の成長物語を確立している一作です。