株の力ですべてが手に入ると錯覚させられた男が、投資家に甘い蜜を吸わされながら利用され、自分の家族や友人の信用を金に換えさせられた挙句、すべてを吸い取られてしまう。
そして、主人公が株の力と信頼の力で復讐をするお話。
▼主題歌の「Fly me to the moon」が、資本第一主義になった虚しさを描くうえで超効果的。
▽金を自分のもとに吸い寄せて月に届くようなビルを手に入れたとしても、そこには誰ひとりとしていない。という孤独を端的に表現している。
▼株や株式会社の知識がない人にもさり気なく本質を突きながら親切に説明してる
▽インサイダー取引の本質を、主人公が狙っている女の内情をこっそり教えて必勝法を教える場面で表現してる。わかりやすい例え。
▽株式を持っている比率が高ければ社長よりも権力があるということが、株主総会での悪徳投資家のスピーチシーンでわかる。復讐の前フリにもなってる。
▼復讐劇は、目には目を歯には歯をで、主人公が貶められた手段と全く同じやり方でやる。因果応報。繰り返しの天丼効果もある。
▼利用されてたことに気づいた直後の主人公が、超高額マンションの最上階で、庶民的なピザとって食べてる姿が、心情を的確に表してておもしろい。
(以下ネタバレ気味)
▼主人公が復讐に成功したあとに、インサイダー取引の容疑で逮捕されるという小さな敗北が待っているのが、切なく、メッセージ性も強めてる