ダイヤモンド

フラガールのダイヤモンドのレビュー・感想・評価

フラガール(2006年製作の映画)
3.0
求むハワイアンダンサー!!独身女性のみ 清楚で可憐な踊り子求む_。

昭和40年、いわき市。斜陽の炭鉱町。
いままで町を支えてきた石炭、もはや時代は石油の時代。それでも人々はまだ時代の波に抗おうとする。
でも生きるためには働かなければならない。それは女性とて同じ。これからの女性は、炭鉱夫の妻として家庭を支えるのが唯一の道ではない。

常磐ハワイアンセンター_。
時代の波に飲み込まれる町を救うべく作られる「常夏の国」。町の人の多くは懐疑的。でも女性数人が勇気を持って立ち上がった。
それが「フラガール」。

過去にしがみつく人々、未来を見据える人々。時代の分岐点に立たされたそれぞれの選択。原作を元にした映画だけど、現実ではもっと厳しいがあったのでしょう。

さすが蒼井優。フラガールのリーダーとして存在感は群を抜いていた。特に、稽古場に訪れた母の前で独演するシーンは凛としていて、プロ。炭鉱町で生まれ育った娘とは思えない、息を飲むほど美しかった。

でもこの映画に関しては、松雪泰子。
「夢を見られない酔っ払いの炭鉱夫よりマシよ」
トヨエツ相手に啖呵を切るその姿。町の人々に嫌われる彼女は都会で戦ってきた。良くも悪くも田舎町で守られてきた女たちとは違って、彼女は独りで戦ってきた。そんなプロダンサーの矜持と哀愁を漂わせていた。

薄っぺらいサクセスストーリーではないこの映画。炭鉱町の雰囲気と相まって、とても良い映画です。