シャーリーズ・セロンの地獄のような名演技が凄まじく、
実話を下敷きにしたという点で、その壮絶な背景に圧倒されてしまうんですが、
絵作りがイマイチかっこよくなく、好きになれない部分がある。
アイリーンの生い立ちを考えると、レイプされたところをついうっかり殺してしまったところまでは同情の余地はあるんですが、
せっかく愛情を知った後も、なんか「やさぐれて」いる上、汚らしくて、見ていて辛かった。
タイトルが指すように、まさに彼女を「モンスター」にしてしまったもの、それを描きたかったと思うんですが、
どちらかというと狂ってしまっているように見えて、なかなか共感しにくかったです。
ただ、命乞いするじいさんのシーンはとても良かった。
アイリーンの殺したくなさが滲み出ていて、その煩悶には共感できるものがあった。
彼女が血も涙もないサイコパスではないことが感じられていい。