そこそこ面白かった。
元の韓国版の方は未視聴なんだけど、
きっとシナリオがいいんだろうなと思う。
まず「盲目の目撃者」っていうアイデアがいい。
それに吉岡里帆の盲目の演技がむちゃくちゃ良くて、目の焦点があってない感じが凄まじかった。
決して綺麗な顔に見えるわけじゃないのに、女優魂を感じて好感。
韓国のノワールに寄せて、黒っぽい画面で似せて作ったのは正解だったと思う。とても雰囲気が出ていた。
主人公の浜中は元警察官でありながら、事故で弟を亡くしており、その贖罪のために生きている。
目が不自由な分、聴覚やカンが優れていて、その独自の捜査方法で展開する推理が気持ちいい。
駅のシーンで本来なら盲人と健常者の追いかけっこでは盲人が圧倒的な不利なはずだが、ここでは犯人が職業的に大っぴらな行動ができないということでバランスを取っているのがうまいなと思わせられる。
また、盲目の人間と戦うときに、辺りを真っ暗にすることで聴覚有意の亡者が優位に立って戦えるという方法を採用しているのもうまい。
盲目の退役軍人と戦う『ドントブリーズ』もそうだった。
大詰めのシーンでは、手に汗握った。
ただ、こういうサスペンスに慣れた人なら犯人は一目見たら分かるという弱点はある。
ベタな構成で「意外な犯人」というシナリオに立ち向かおうとするとまぁこうなるわな…という。
そう思うと、ベタ・オブ・ベタなサスペンス映画ではあるので、何か新しみを求めて見るとがっかりする感はある。
ただ、イマイチの映画が続いていると、王道がオアシスのように感じるのは確か。