藍住

バベルの藍住のレビュー・感想・評価

バベル(2006年製作の映画)
5.0
ひとつの銃弾から国を超えて繋がる人と人。
コミュニケーションが上手く取れずにもどかしさを覚える彼らは、ちょっとずつすれ違って、やがて元の生活へと戻ってゆく。
以前とは違う、良くも悪くも新しい道へ。
『21グラム 』とは異なる群像劇。
想像していた以上に温かいエンディングで涙が止まらなかった。
自分が大事な人と断絶していたことを悔やみ、またそこからやり直そうとする。
それは確かに希望の光であったと思う。
終盤の収束の仕方が見事でした。

私はブラピを目当てに観たが、イニャリトゥ監督の撮る役所広司がどこまでも完璧で、僅かな出演時間ながら、鮮明に印象を残すお芝居が素晴らしかった……!!
いやー、この役所広司は本当に!!
良かった……!!
それにしても、イニャリトゥの映画のカラーと、東京のネオンサインがよく似合う。

『21グラム 』で救いきれなかったやるせなさに対するアンサーが『バベル』なのかなーと思ったりもした。
同じ群像劇だけど、ラストの光の見え方が全く違う。
まあ確かに色々言いたいことはあるものの、墓場まで持っていきたい映画リストには入れます。
私はこの映画が大好きだ。
藍住

藍住