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容疑者 室井慎次のmatchypotterのレビュー・感想・評価

容疑者 室井慎次(2005年製作の映画)
3.3
フジテレビ『踊る大捜査線』シリーズより、スピンオフ『容疑者 室井慎次』。

1つの殺人事件を舞台に、あの踊る〜シリーズから、警視正である室井管理官を中心に警視庁と警察庁の警察官僚の政治的な部分を強めに抜いてきた本作。

交番勤務の現場の警察官に殺害事件の容疑がかかり、取調べ中に死に至らしめてしまい、その操作責任者である室井が責任を問われ逮捕される。

その事件の捜査を進めようとすれば、警察内部から横槍が入ったり、どこからともなく現れた弁護士団体に邪魔される。

1つの事件の真相を現場の刑事と追えば追うほどにモヤモヤとしたものが被さってくる。

なぜ真実を追ってはならないのか、そこに何があるのか、自分たちの仕事は何なのか?
この自問自答の先に室井が出した答えは、、、。

この作品はここまでの『踊る大捜査線』シリーズの上に立っている。
だから、青島が現場で頑張り、室井が上に登り、現場が現場として仕事ができる環境を作る。

その本筋ストーリーにあった“誓い”がある。

それを青島がいなくても、場所が違っても、事件が違っても、それを頑固な室井が貫き通そうとする“男気”の話。

そして、男気、と言えば哀川翔。
新宿のチンピラのドンみたいな風体の北新宿署の兄貴分的なデカ。
青島とはまた違ったベクトルの男だが、今回も室井とは経路が全く違う新たな“現場”との融合。

そして、新城などの本家シリーズでもお馴染みの「事件は会議室で起きてる」側のメンバーが本作では会議室側で存分に暗躍。

本作は室井慎次のトレードマークでもあるしかめっ面から、彼の過去にも触れ彼の人間性のルーツがあり、彼独特の苦悩と哀愁漂う作品。

そう言う意味では本家のシリーズのような大権力に対するちゃぶ台返し的な爽快感や現場の火事場の馬鹿力的な作風ではないが、これはこれで重厚なドラマ性がある。

と、色々あるにせよ、兎にも角にも、田中麗奈のキリッとした綺麗なビジュアルが最後まで見届けさせてくれる感じ。
この頃はアイドル的な可愛さから女優としても大人の綺麗なお姉さん、になって来てて、とても魅力的。

昔、彼女のカレンダー買ってた頃が懐かしい。
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