菩薩

ナージャの村の菩薩のレビュー・感想・評価

ナージャの村(1997年製作の映画)
3.5
地図から消された村で変わらぬ生活を続ける住人達の肖像。変わらぬのは住人達の生活風景だけであり、施設は閉鎖され、教育は滅び、流通も滞っているが、生まれた場所で生き、生まれた場所で育ち、生まれた場所で死なんとする者達の意志は固い。決して結びつきが強いと言うわけでは無い、残された小さなコミュニティの中にも反目は存在するが、困った時はお互い様と手を差し伸べる。もはや「チェルノブイリ」と呼び慣れた地名で呼ぶのすら適さない世相であるが、理不尽に住処を奪われた者達の悲哀と言う点では共通している。人間はどこまで愚かさを加速させれば気が済むと言うのか、そんな事を改めて思う。
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