Jun

007/ダイヤモンドは永遠にのJunのレビュー・感想・評価

007/ダイヤモンドは永遠に(1971年製作の映画)
3.2
前作『女王陛下の007』を挟みショーン・コネリー復帰作にして最終作。コネリーが復帰のために提示した条件である破格の出演料もよく知られているが、その影響も伺える予算不足が祟ったインパクトが弱いシリーズ第7作目。ダイヤモンドの密輸から打ち上げられた衛星が兵器となる後半、急な角度で切り返し物語が展開される脚本にも企画の混乱が見て取れるような…。

プロットの繋ぎの粗さも気になるが、何よりも致命的なのが作品全体に漂う緊張感の無さ。チェイスシーン等を見ても勝手に追手が自滅するなど、気の抜けたコミカルな描写が目立つ。半ばコメディ映画を観る気持ちで臨めばまだ観れるが、ここまで一気にギアを変えられると観る側も戸惑いを隠せない。シリアスから乖離したコミカルな路線は、次作以降3代目ボンドを演じるロジャー・ムーアの代に引き継がれていく。

唯一狭いエレベーター内でのファイトシーンは、アイディアが感じられ印象に残った。
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