このレビューはネタバレを含みます
F・W・ムルナウ監督「吸血鬼ノスフェラトゥ(1922)」のリメイク。
中世ドイツを舞台に、生気のない不気味なドラキュラ伯爵(白塗り・禿頭・長い爪・鋭利な2本前歯)の餌食となってしまう、不動産業ジョナサン(ブルーノ・ガンツ)と彼の妻ルーシー(イザベル・アジャーニ)。ルーシーの美しい喉元に身惚れた伯爵は彼女の生き血を求めて街へ向かい、大量のネズミも引き連れペストを蔓延させ街を混乱に陥れる。ルーシーは伯爵を退治すべく自ら犠牲となり陽の光で消滅させ一件落着かと思われたが、伯爵に噛まれていたジョナサンが吸血鬼へと覚醒してしまうという、ムルナウ版とは違う怖いラストだった。
怯える姿さえも美しいイザベル・アジャーニ。
生き続けることの苦しみ、哀愁さも垣間見える、お見事な怪奇さのクラウス・キンスキー。
ドイツ表現主義的なドラキュラの浮かび上がるシルエットがカッコよくて震える...。
ネズミいっぱいの中で、ペストで死ぬ前に楽しもうよの狂った最後の晩餐。
冒頭に映し出される凄惨な表情のミイラ達が一番こわかった...。
2022-454
2024-192 再見 ザ・シネマメンバーズ