愛と血に飢える 不死の怪物
「吸血鬼 ノスフェラトゥ」のリメイクで、悪の象徴で災禍をもたらすドラキュラ伯爵の孤独な宿命を描いたドイツ産ヴァンパイア・ホラー、、、
吸血鬼を描いた映画としては古典的ながらも、不気味さと美しさを兼ね備えていて好きな一本となった。
伯爵の城までの道程、城の周辺、風景の写し方が切り取られた絵画のよう。まさに深淵の映像美。
ドラキュラに襲われ病気になった夫を助けるために奔走する勇敢な妻を演じたイザベル・アジャーニがまた良い。
鏡に写らずに影だけが忍び寄るところは印象に残るシーンのひとつ。
見たこともないくらい大量のネズミが映るシーンがあるので苦手な人は観ない方がいいかも。
黒死病というペストが町中に蔓延していく姿はやはり今観ると思うところがあった。
"この世には死より恐ろしいものがある"