HidekiIshimoto

兵隊やくざのHidekiIshimotoのレビュー・感想・評価

兵隊やくざ(1965年製作の映画)
4.5
珍しくやさ男ではない田村高廣が「俺は軍隊が大嫌いだ!」とまず冒頭で言い切る。映画でここまではっきり言葉で言うのはあまり聞いたことがない。大抵は『この世界の片隅に』みたいに色々失った挙句の慟哭でやっと言うみたいなのが多い。そこには"お国の為"という看板への遠慮と忖度があるんだろう。もっともらしい正義の看板と階級をタテに権力を押し付けてくる輩こそがほんとの国賊であり、この映画は軍隊内に巣食うそんな輩に遠慮も忖度もしませんと初っ端から宣言しているわけで、その実践者として知の田村高廣、力の勝新太郎、合わせてハルクな二人にがんがんアベンジさせて痛快きわまりない純日本産ヒーロー映画。今も国賊は軍隊内に限らずどこにでもいるわけで、相変わらず国防とか称して改憲をうたい、弱い私腹を肥やし放題してる今こそ観られるべき傑作。