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ションベン・ライダーのmuuumのレビュー・感想・評価

ションベン・ライダー(1983年製作の映画)
3.7
相米監督は3作目の鑑賞。

河合美智子さんが、ひたすらまぶしくてかわいくて。成長期にさしかかる、スレンダーながら大人が見え隠れする絶妙な体にドギマギしてしまいました。河合さん、セリフも、居方も、歌もとても上手でほれぼれしました。

永瀬正敏さん、これがデビュー作ということで、とても田舎っぽい、やんちゃな元気少年役を演じていました。いい意味で重たくない存在感が良かったです。この子が、今の永瀬さんになるとは誰もが想像できないですよね。俳優時代の坂上忍さんも、とてもあいらしく、演技も上手でした。

台風→セーラー服→ションベン、
の順に見たのですが、やはりこの作品は
奇跡的というより、役者さん個々の
自然な在り方がうまく収まった作品のように感じました。前見た2作は、人間のいびつさアンバランスさ、そこから生まれるいびつな造形が魅力的で、偶然のような瞬間も多かった気がします。それとはひと味違う感じです。

主人公のブルースが自分を「僕」と呼ぶトランスジェンダーなのですが、相米作品には必ず多様な性の在り方が描かれている気がします。今回でいえば、ブルースもそうだし、藤竜也さん演じるヤクザとブルースとの年齢や性を超えてのやりとり、
「台風」「セーラー服」にも同性愛者が出ていました。当時からそれに着目していたのか、監督自身もそうだったのかも?と思いつつ、その視線の鋭いは時代の最先端だったのかも。
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