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オッペンハイマーのmuuumのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
3.9
なぜこの作品を日本で
公開すべきでないと思ったのか、
観終わった今、とても不思議に思いました

日本人は一人も出てきません
日本の描写もひとつもありません

そこに描かれていたのは、
原子爆弾を開発成功させたものの、
そのためにたくさんの人の命が奪われ、
世界の核戦争を加速させてしまった
ことに心を痛める、一人の男の姿でした

前半は、開発までの苦労、
後半は、成功者オッペンハイマーを
陥れる人物との攻防を描きます

キリアンマーフィー、
心移ろう物理学者を繊細に演じていました
一方で、色恋は多く、非常に
バイタリティのある一面も垣間見えて
ただの物理学者ではなく、
人間としての豊かさも感じました

そして、ロバートダウニーJr.、
すごかったですね
寄り添うように、常にそばにいる
人格者のようで、あのひっくり返し方
後半以降の物語の展開にも正直驚きました

そして…ジョシュハートネットが
出てました、懐かしの!
かなりいいおじさんでしたが
とても良い役でした

そしてここにもフローレンスピュー
引っ張りだこの彼女は
ここでもオッペンハイマーの心に
居続ける重要な女性を演じていました

ラミマレックもすごく良い目をしてたなぁ

え、大統領、ゲイリーオールドマンだったの? すご、すごい嫌なやつ

ノーラン監督の作品は、
何度も観ないと分からない作品が多いですが(テネットとか)
この作品は、1度で大まかなところは
つかめますが、
細かな人物相関図は2回目のほうが
より面白く見れそうだなと思いました

最後に…
わたしは被爆者でもない、
戦争経験もない日本国民ですが、
原爆については
肯定できることは何一つありませんが
オッペンハイマーの生き様の一面を
見ることで、彼も一人の人間であり、
切磋琢磨して自分のやりたいことに
邁進した結果、それ以外の多くのことを
犠牲にしてしまうことになった被害者
でもあるのかもしれないと思いました

開発者と使用者、
何にどう使うかは、開発者に
決定権がないところに
さまざまな問題があるなと感じました

何か良くないことがあっても、
その原因が誰か一人に、
何か一つに、全責任があることはない
非常にさまざまな要素がはらんで
物事が成り立っていることを感じます

誰かの成功は、誰かの失敗、
誰かの死は、誰かの生、
そんな両極端のようなことが
紙一重だということを思わされます

日本人であるから、この物語に
ここまで心酔したのかもしれませんが
ぜひみなさんにも観ていただきたいです

…3時間、長いけど(笑)
オッペンハイマーを知れた
良い時間でした
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