火の馬の菩薩のレビュー・感想・評価

ストーリー的にはイワンと言う一人の青年の人生を幼少期から死まで追っていくもので非常にシンプルではあるが、映像的には後半に進むにつれ、より観念的になり、土着的になり、呪術的になり、芸術的になり…と人智を超えた神々しい怒涛の渦に巻き込まれて息も絶え絶えになりながら、やっと水面に顔を出せたと思ったらいつの間にか終わっている。パラジャーノフの頭の中のイメージをこれでもかと焼き付けた圧倒的な作品を前にしては、もはや私個人の語彙力では表現しきれないし、ただ尋常ならざる感動が待っている。