ゆき

イリュージョニストのゆきのレビュー・感想・評価

イリュージョニスト(2010年製作の映画)
3.8
居場所

彼が求めていたのは歓声か拍手か、それとも愛情か。
時間が経つほど哀愁が濃くなる。
吐息の似合う物語だった。
光と影の見せ方で、人生に普遍的な浮き沈みを見たような気がする。
定住せずに場所を変える。それでも四季は変わらず、ずっと風は吹く。
手品みたく、欲しいものを欲しい時にその手で出せたら、人生は変わって見えるのだろうか。
彩度の変化が印象的な一作でした。

***
時代が変わり始めていた1950年代。パリのバーで営業をしていた老手品師はスコットランドの離島にたどり着く。片田舎のバーで一人の少女と出会い、娘の面影を感じた手品師は言葉の壁にぶつかりながら一緒に暮らし始める。
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