このレビューはネタバレを含みます
トムの精神的なカッコ良さもいい
本作を観るのは3回目だが、観るたびに評価が上がる作品だ。
冒頭の飛行機内でのアクション。
キャメロンが偽FBIに拉致され、車で移送されるのをトムが阻止し、派手なカーチェイスを展開するシーン。
無人島でのアクション。
闘牛も入り混じりの街中カー&バイク・アクション。
どれもトムならではの迫力であり、今回は特にキャメロンの怯えた表情と、極めてクールなトムの立ち振る舞いとのコントラストが最高だった。
そして、本作の本当の見せ場・・・
トムのGPS探知の場所を探るキャメロン・・・KNIGHT家の父と母に会い、壁に飾られた戦争で亡くなったボーイカウトの自慢の息子の話しに耳を傾ける・・・
ここでキャメロンは、これまで謎だったトムの行動の全ての意味を理解した。
後半は、本当に心から愛した男性に、キャメロンが見せる素晴らしい展開。
それまで睡眠薬などで薄れてゆくキャメロンの意識の片隅で展開した、トムの脱出劇の映像が、最後は反対に怪我でまだたどたどしいトムの意識の片隅で展開するキャメロンの献身的な愛の映像へ。
冒頭の飛行機の中でトムが夢を語った際に登場した、南米の最南端、ホーン岬。
愛する二人だけの楽園に向けて車を飛ばすキャメロンの献身。
そして・・・KNIGHT家の両親の元にホーン岬行きの飛行機チケットが届く。
素晴らしい映画だった
国家権力と距離を置き、家族や恋人など、愛する人との幸福な人生の大事さを描く視点
よくあるハリウッド映画の、人々に恐怖だけを押し付ける米軍賛美のCG映画とは深みが違うぜ!