佐藤でした

ゴーストライターの佐藤でしたのレビュー・感想・評価

ゴーストライター(2010年製作の映画)
3.3
元英国首相アダム・ラング(ピアース・ブロスナン)の自叙伝執筆を、破格の報酬で引き受けたゴーストライター(ユアン・マクレガー)は、ラングの隠れ家があるアメリカ東部の島へ向かう。同じ頃、イスラム過激派のテロ容疑者に対する拷問への元首相の関与が取り上げられ…。

前任者が不可解な死を遂げた経緯があり、それ相応の末路を予知しながら「誰かはやらなければならない」と、出版に携わるブレーンたちは次のゴーストに軽々とバトンを渡す。
被害を被るのは後継者だけということになるが、“貰うもの”は貰っているので何とも言えない。それがゴーストライターという職業のようだ。

引き受けた途端、
というか建物を出た瞬間から
ひったくりに遭い、
もう嫌な予感しかしない。

なので画面も冷たい色合い。
ひんやりと、常にヤバイ感じ。
だけどシルキーな質感があって
なにかゴージャス感すら漂っていて
そこにポランスキーの色香を感じる。

ゴーストライターを題材にして、舞台を孤島に置いたのがいい。「シャイニング」のような閉塞感が多少ある中で、ユアンが怖いもの知らずの主人公を演じていてちょっと「ビッグフィッシュ」も彷彿とさせる。
ピアース・ブロスナンはボンド姿しか知らないのだけど、怖っ。悪い顔をさせても似合うのですね。貫禄と迫力がありました。

前任者が残したパーツを一つ一つ追っていって、伏せられた陰謀を解き明かす後半は面白いのだけど、こちら側が「謎解き」をする余地は残されておらず、主人公を見守るしかないのが少々退屈。なにより最大のトリックがチープで残念だった。
佐藤でした

佐藤でした