nekosuki

屋根の上のバイオリン弾きのnekosukiのレビュー・感想・評価

屋根の上のバイオリン弾き(1971年製作の映画)
3.9
これまで観たミュージカル映画の中で一番好きな作品。やはり“ノーマン・ジュイソン”は作品にバラツキが少ない。得意の社会派ドラマ以外でも手腕を発揮してくれた。

主演の“トポル”が老け役で父親を演じるが違和感なし。アカデミー主演男優賞も当然だと思える。

慎ましく生きるユダヤ人一家にスポットを当て、娘達の幸せを思う父親の気持ちと貧しくても愛のある結婚を望む娘達の気持ちが交差する様を描く。

娘達が父親に好きな人を紹介するシーンがとても良かった。反対するものの結局は受け入れる心情にホロリとさせられる。“同じ苦労するなら好きな人と一緒が良いよね!”と、共感した。

ユダヤ人を包む環境は厳しいが、父親の悲哀よりも、将来の希望に目を向けると救われる。

挿入曲も素晴らしく、キャストの歌唱が映える。
2時間を越える長尺を物ともしない壮大な叙事詩。
幸せの意味を気付かせてくれる秀作。
nekosuki

nekosuki