ロン•ハワード監督作品鑑賞9本目。
ラッセル•クロウ出演作品鑑賞12本目。
最近なんだかクロウを観続けているけど、今更ながら名優だと感服しきり。
『グラディエーター』(2000)の一年後の制作なんですね。
『インサイダー』(1999)も好きですが、立て続けてノリに乗りまくっている黄金期であり、グラディエーターもそれはカッコイイけれど、もしかしてこの演技が過去一じゃないかと感じました。
ノーベル経済学賞を受賞した実在した天才数学者ジョン•ナッシュの偉業と成功、その裏では統合失調症に悩む姿を描いている伝記映画。
(実話ベースだが事実と異なる箇所が幾つかあるらしいです)
◉あらすじ
ジョン(クロウ)はプリンストン大学院数学科に入学する。昔から人付き合いが苦手で数字の虫。仲間内からは変わり者だが一目置かれていて、特にルームメイトの陽気なチャールズ(ポール•ベタニー)とは気が合った。
在学中に『ゲーム理論』を研究した論文で教授を驚かせる。
その後、マサチューセッツ工科大学のウィラー研究所に採用され世間的にも有名になり、国防省の要請でソ連の暗号解読において目覚ましく活躍するようになるのだが、少しづつ精神に異常をきたすようになる。
教え子だったアリシア(ジェニファー•コネリー)と結婚し子供にも恵まれるが、ジョンは次第に幻覚を見るようになり、言動がおかしく、とうとう精神病院に入院が必要になるのだった...
◉感想
脚本が優れているのもあり、テンポ良く飽きさせず進み、途中でハッと気付かされる仕掛けは観る者が騙されてしまうサスペンス調。
とにかくクロウの演技はお見事で天才そのもの。歩き方から悩む表情、恋愛は不器用だからこそ妻との会話は新鮮で初々しい。
入院して抗精神病薬の注射治療時は痙攣が起きる(事実とは違うらしい)その様も見どころ。
時間が掛かるが少しづつ回復し、大学で昔の仲間に助けられ研究を続けるのだが、受け入れる仲間たちも素晴らしいし、妻の支えは甲斐甲斐しい。
頭が良いなりの苦悩がある。幸せのあり方ってなんだろう?と思わせられる。人間一人では何もできない、妻と仲間たちの支えがあったからこそ。ノーベル賞受賞時の言葉に涙した。
エド•ハリス、クリストファー•プラマー、ジャド•ハーシュのベテラン勢が脇を支えているのも格上感がある。
◉事実
入退院を繰り返す10年の間に妻とは離婚するが退院後に復縁。そして再婚するが、2015年、夫妻で乗ったタクシーが事故を起こし2人とも死亡。
◉余談
ポール•ベタニーとジェニファー•コネリーはこの作品がキッカケで結婚。